こんにちは。akira(@akiragraph)です。
2020年10月にケンコー・トキナーからブラックミストが発売されて以来、色々なメーカーがブラックミストのフィルターを発売しております。
10月時点ではケンコー・トキナーとNisi Filetrs、Tiffenの3社だけだったのでどのメーカーのフィルターがいいかなと少し悩む程度でした。
その後、話題性もあったことからK&F ConceptやHaida、H&Y、Kaniなど代表的なフィルターメーカーがこぞって製品を発表しました。
私自身どこのフィルターメーカーのブラックミストが良いのかわからなかったため、今回検証をしました!
是非最後まで読んでいただけますと嬉しいです!
ブラックミストとは?
ブラックミストとはソフトフィルターの一種でハイライトとシャドウ部のコントラストを抑え、柔らかな描写にするフィルターです。昔は映画とかでよく使用されているのをみたのですが、現在は写真用としてもたくさんの人たちが使用しています。
昔から映画で使用されていたこともあり、ケンコー・トキナーのブラックミストNo.05の製品ページでは「レタッチなしで、撮ったその場で映画のような質感を得られるのがブラックミストの魅力です。」と記載されています。
映画の世界ではしばらく前からブラックミストフィルターを使用することは無くなってきた方向になっていると聞いています。
理由としましては、パソコンで処理をすることによってブラックミスト風の濃度を自由に変更できるからそうです。確かに現場でフィルターを装着して撮影してしまったばかりに失敗した、では困るということからパソコンで後処理をする方が楽かもしれません。
ただし、それは大きくたくさんの予算がかけられている映画の世界だからこそできる技です。現にブラックミストの効果をもつプラグインが販売されておりますが、値段がものすごく高く簡単に手を出せるものではありません。
写真用に販売されているフィルターは円形フィルターで高くても15,000円ほど出せば購入することができます。
手軽に使えるからこそたくさんの写真ユーザーが使うようになったのかもしれません。
元々、ブラックミストはケンコー・トキナーが2002年に発売したフィルターです。
現在も販売されており、当初はブラックミストNo.1のみが発売されていましたが、現在はNo.1とNo.05の2つが販売されています。
ブラックミストNo.1が発売されてから16年経った2018年に写真家の保井崇志さんがツイートしたことによって火がついたようです。
これは企業秘密ですが、ポートレート撮影では「ブラックミスト No.1」というフィルターを使っています。レンズは「XF35mmF1.4R」「XF56mmF1.2R APD」の2本で、ボディはFUJIFILM「X-H1」。https://t.co/h4YBw5IwdT pic.twitter.com/9v2yQ2K99z
— 保井崇志 (@_tuck4) October 2, 2018
そこから色々なカメラマンが使用するようになり現在ではInstagramで「ブラックミスト」と検索するとたくさんの写真が出てきます。
どんなメーカーが販売しているのか
上のほうでもかきましたが、ブラックミストは色々なフィルターメーカーが発売しています。
そこでまずは、どんなメーカーが出しているのまとめてみました。
Tiffen
1938年に設立された写真用、映画用のフィルター、アクセサリーを販売しているアメリカに本社があるメーカーです。
いつからブラックプロミストを販売しているのかはわかりませんでした。
現在日本の代理店は銀一が行っているようです。
Tiffenは1/4と1/8のブラックミストを展開しています。
日本の代理店は銀一なのですが、なぜかAmazonや楽天を見ると並行輸入品ばかりで他メーカーよりだいぶ値段が高くなってしまいます。
ケンコー・トキナー
写真をやっている人なら一度はどこかで見たことがあるのではないでしょうか?
1957年に設立された写真用のフィルターやアクセサリー、レンズなどを開発している日本国内にあるメーカーです。フィルターならケンコー・トキナーのフィルターが一番安心できて良いと言っているプロのカメラマンもいるくらい信頼されているメーカーです。
ブラックミストだけではなく、さまざまなフィルターを出しています。
新しく画期的なフィルターをたくさん出しているメーカーなので毎年面白いフィルターがでていないか毎回チェックしてしまいます。
ケンコー・トキナーの場合は、No.1とNo.05の2種類があります。
No.1を基準としてブラックミストの濃度を半分にしたのがNo.05のようです。
今回比較対象にはしていませんでしたが、2022年にブラックミストプロテクターというフィルターが発売されてました。
濃度がわかりづらいのでNo.025とかの方が嬉しかったですね。
Nisi
日本国内では角型フィルターのイメージを持っている方が多いのではないでしょうか?
当初角型フィルターばかり販売している中華製のフィルターメーカーという印象があったのですが、最近は丸型フィルターにも力を入れているようです。
調べたところ海外では有名なフィルターメーカーのようです。
ブラックミストの濃度は1/2、1/4、1/8の3種類があります。
よくInstagramとかでみるのは1/4です。発売当初1/4のみの販売だったので、1/4を購入している方が多かったのかもしれません。
H&Y Filters
フィルターのリングサイズを簡単に変更してくれるRevoringや角型のマグネットフィルターなどユーザーが本当に欲しいと思うようなフィルターを販売してくれる私が今一番注目しているフィルターメーカーです。
ブラックミストの濃度は1/2、1/4、1/8があります。
H&Yのブラックミストだけ特殊な部分があります。それが、フィルター径です。他社は大抵49mm〜82mmに対応しているのですが、H&Yは46-62mm、67-82mmの2つが販売されております。これは便利ですよね。
1つのフィルターで複数のフィルター径に対応しているのはとても便利です。通常だとステップアップリングを購入するか、フィルター径毎にフィルターを購入しなければいけないため追加費用がかかってしまいます。
Haida
Haidaは中国のフィルターメーカーです。少し変わったフィルターも作っています。
私は持っていないレンズですが、レンズのリア側(マウント側)に装着するマグネットタイプのフィルターなども販売しています。
日本国内の代理店は用品メーカーとして有名なHakubaがやっています。
有名なメーカーが取り扱っているということもあり、安心感がありますね。私的にはHaidaのフィルターも結構好きです。
Haidaの場合は、1/4と1/8の2つ濃度があります。
Kani Filters
Kani Filterは最近日本に進出してきたフィルターメーカーです。
角形フィルターを以前まではメインとして販売していましたが2020年前後から丸型のフィルターも徐々に販売するようになっています。
他のメーカーとは違う製品名で販売しています。ラインナップも多くあります。
K&F Concept
K&F Conceptも中国のメーカーです。
レンズフィルターから三脚、カメラバッグなど様々なカメラアクセサリーを販売しているメーカーです。
昔以上に品質が良くなってきているので、安くて良い製品を作っているイメージが最近はあります。
日中での比較
それでは早速ブラックミストを比較していこうと思います。
撮影前は差があまり出ないかもしれないなと考えていたのですが、結構差がでてきたのでびっくりしました。
昼間に比較したものと夜に点光源で比較したものを見ていきたいと思います。
昼間に撮影すると正直そこまで効果がわからないなと言う感じのものもありました。
点光源にむけて撮影すると違いますが、あまり変わらないと言った印象です。
設定は全て一緒です。
カメラ:α7Riii レンズ:FE 16-35mm F2.8 GM
焦点距離:35mm F値:2.8 SS:1/1000秒 ISO:100 WB:5600
全て同条件になるように設定をしています。
もう少しわかりやすいように比較をしていきます。
少し長くなりますが、お付き合いください。
TIFEN
左:フィルターなし 右:TIFENブラックプロミスト1/4
左:フィルターなし 右:TIFENブラックプロミスト1
左:フィルターなし 右:TIFENブラックプロミスト1
色味は少し変わる感じでしょうか?
全体的に濃くなっているような感じがします。
1/4だと分かりづらいですが、1だとだいぶソフト感がわかりやすくなりますね。
点光源に向けて撮影をするとわかりやすいですね。川の反射している部分などがわかりやすくソフトになっています。
ケンコー・トキナー
左:フィルターなし 右:Kenko ブラックミストNo.05
左:フィルターなし 右:Kenko ブラックミストNo.1
左:フィルターなし 右:Kenko ブラックミストNo.05
左:フィルターなし 右:Kenko ブラックミストNo.1
No.1は分かりやすくソフト感が出てきますね。
昼間の撮影はNo.05だと少し分かりづらいためNo.1の方が使いやすいのかなと思いました。
使い分けが重要そうです。
NiSi
左:フィルターなし 右:Nisi ブラックミスト1/4
左:フィルターなし 右:Nisi ブラックミスト1/4
Nisiの場合は、ケンコー・トキナーのブラックミストよりコントラストが高くなっている気がします。
色味自体に変更はなさそうですので、おそらくニュートラルな撮影ができるのかなと思います。
H&Y Filters
左:フィルターなし 右:H&Y Filters ブラックミスト1/2
左:フィルターなし 右:H&Y Filters ブラックミスト1/2
H&Yは1/2、1/4、1/8と種類が豊富で選びやすいのがいいですね。H&YのみRevoringという複数のフィルター径に対応したブラックミストとマグネットフィルターの両方が販売されています。
選択肢が多いのは購入する身からすると嬉しい点です。
左:フィルターなし 右:H&Y Filters ブラックミスト1/4
左:フィルターなし 右:H&Y Filters ブラックミスト1/4
左:フィルターなし 右:H&Y Filters ブラックミスト1/8
左:フィルターなし 右:H&Y Filters ブラックミスト1/8
1/2>1/4>1/8とどんどん効果が薄くなっていきます。
どれがいいのかは人の好みになってしまいますが、私としては、1/4がちょうど良くて良いなと思います。
Haida
次はHaidaのブラックミストをみていきます。Haidaは1/4と1/8の2種類がラインナップとして販売されており、国内の代理店はカメラ用品で有名なHakubaが行っています。
左:フィルターなし 右:Haida ナノプロミストブラック1/4
左:フィルターなし 右:Haida ナノプロミストブラック1/4
Haidaは製品名がブラックミストではなく、ナノプロミストブラックと他社とは違う名称になっています。
会社によってブラックミストの濃度は微妙に違うのですが、Haidaの場合は、H&Yの1/2の濃度に近い感じがあります。
Kani Filters
左:フィルターなし 右:Kani シネマディフュージョンフィルターNo.05
左:フィルターなし 右:Kani シネマディフュージョンフィルターNo.05
K&F Concept
左:フィルターなし 右:K&F Concept ブラックミスト1/4
左:フィルターなし 右:K&F Concept ブラックミスト1/4
日中まとめ
日中だと点光源に向けて撮影をしないとブラックミスト効果があるのかないのか微妙なのが多くなっています。日中でもブラックミスト効果を実感したいのであれば、KenkoのブラックミストNo.1やH&Yのブラックミスト1/2の方がおすすめです。
1/4や0.5、1/8はあまり効果を実感できないのでもし使用するのであれば点光源に向けて撮影をするか、夕方などが良いかもしれません。
夜での比較
ブラックミストを日中に使用するのも雰囲気がでておすすめなのですが、ブラックミストが本領を発揮するのは夜だと思っています。夜だと小さいものから大きい点光源(ライト等)まで様々なものがあるので、ブラックミストのソフト効果を活かすには良い条件になります。
各社メーカーのHPでもわかりやすいのが夜間の撮影だからか作例写真が多いように見受けられます。
ブラックミストはソフトフィルターの類になります。
ソフトフィルターは広角より望遠の方が効果がわかりやすくなりますが、ブラックミストは特に効果がわかりづらい場合が多いです。
なので今回は焦点距離での比較もしていきたいと思います。
それでは早速みていきたいと思います。
焦点距離での比較
途中から点光源というよりは建物メインになってしまいましたが、焦点距離によるソフト効果の増加についてはそこまで気にする必要はないようです。
それでは各メーカーのブラックミストを比較していきたいと思います。
TiFEN
左:フィルターなし 右:TIFENブラックプロミスト1/4
左:フィルターなし 右:TIFENブラックプロミスト1/4
やはり夜の方がブラックミストの効果を実感しやすいですね。
ブラックプロミスト1だと効果が強すぎるように感じますが、1/4はちょうど良いように見えます。
1の方が写真全体にソフト効果がかかっていますが、1/4は点光源周辺のみにしか出ていないので夜のスナップとポートレートにおすすめです。これは他のブラックミストも同様です。
ケンコー・トキナー
左:フィルターなし 右:Kenko ブラックミストNo.05
左:フィルターなし 右:Kenko ブラックミストNo.1
Kenkoの場合も同様にNo.05の方が効果が弱くNo.1の方が効果が強いという感じになっています。Kenkoのみ名称が他社と違っているためわかりづらいような状態です。
こういうところは各社共通にしていただけると1番わかりやすくていいのですが。
NiSi
左:フィルターなし 右:Nisi ブラックミスト1/4
NiSiのブラックミストは夜に使うのはあまりおすすめができないように思います。。個体差なのかもしれないが、他社と比べて大きい点光源に対して左にずれてふんわりするようになっている。恐らくだがフィルターに塗布されている粒子が少し四角なっているのが原因かと思う。
他社は全て丸になっていた。後継品が出ているのでここら辺は全て改良されていることを祈っている。
H&Y Filter
左:フィルターなし 右:H&Y Filters ブラックミスト1/2
左:フィルターなし 右:H&Y Filters ブラックミスト1/4
左:フィルターなし 右:H&Y Filters ブラックミスト1/8
H&Yのいいところは、Revoringタイプとマグネットタイプの2種類+ブラックミストの種類が3種類あることだ。今回私が使用したのはRevoringタイプなのだが、これがとても便利だった。異なるフィルターサイズに使用することができるのでステップアップリングを大量に持ち歩かなくて良くなる。
ブラックミスト自体は、他社と遜色ない形になっている。
Haida
左:フィルターなし 右:Haida ナノプロミストブラック1/4
Haidaの面白いところは他社のブラックミストフィルターに比べて光がふんわりしやすいところだ。
手前の電柱の点光源の原型があまりわからないくらい光がふんわりしているため。これは本当に1/4なのだろうかと思うが、東京駅はソフトになりすぎていない。
Kani
左:フィルターなし 右:Kani シネマディフュージョンフィルターNo.05
KaniのシネマディフュージョンフィルターNo.05は、理由がわからないが左右で点光源についている光の色の濃さが変わってしまっている。もちろん奥にある電柱に対しては問題ないが、手前の強い点光源はわかりやすいくらい色の濃さが変わっている。
K&F Concept
左:フィルターなし 右:K&F Concept ブラックミスト1/4
K&F Conceptのブラックっミストは、1/4の割には他社のより少し強くソフト効果が出ている感じがある。
個人的な意見ではあるが、ここまで出てしまうと1/2やNo.1と同じくらいにソフト効果がかかっているように見えてしまうため、もう少し弱く出ていると嬉しいと感じました。
夜間まとめ
やはりブラックミストフィルターは夜や夕方にこそ真価を発揮するフィルターだと思います。
各メーカーでコントラストと色味が若干違います。また、基準としている濃度がちがうせいか点光源のぼやけ方が微妙に違います。
どのメーカーのブラックミストがよいかは夜間の写真を参考にして選ぶと選びやすいかと思います。
ブラックミストの良かった
ブラックミストを使用して私が気に入った順に並べました。
- Tiffen ブラックミスト 1/4
- Kenko ブラックミスト No.05
- H&Y ブラックミスト 1/4
- H&Y ブラックミスト 1/8
- K&F Concept ブラックミスト1/4
- Kani シネマディフュージョン No.05
- H&Y ブラックミスト1/2
- Tiffen ブラックミスト 1
- Kenko ブラックミスト No.1
- Nisi ブラックミスト 1/4
今回使用したフィルターを使いやすい順にまとめました。
もちろん私個人が感じた使いやすい順ですので人によって使いやすい順は違うと思います。
皆さんはどのブラックミストフィルターが使いやすそうと思いましたか?
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